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便秘について 便秘を予防するために

60代以上の高齢者にも便秘に陥る人は意外に多い

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高齢者の便秘は早期の解消が必要

便秘というと、20~30代の若い女性がよく抱える悩みのように思われがちですが、60代以上の高齢者にも便秘に陥る人は意外に多いものです。しかも、高齢者では女性にかぎらず男性も便秘に陥りやすいことがわかっています。実際、65歳以上での便秘の有症率は、30%程度にまで達するといわれています。

とはいえ、みなさんの中には「たかが便秘」と軽く考える人がいるかもしれません。しかし、油断は禁物です。便秘はそれ自体がうっとうしいものですが、問題はそれだけではありません。

便秘が悪化しておなかに多くの便やガスがたまった状態が続くと、胃が圧迫されて食欲不振に陥ったり、胃酸が逆流して食道粘膜に炎症が起こる逆流性食道炎を招いたりする原因になります。また、血液中に有害物質が増えることで血行不良が起こり、冷えや肩こり、腰痛などを訴える人も少なくありません。

さらには、腸管免疫(免疫とは、病原体から体を守るしくみ)が衰えて病気にかかりやすくなる危険もあります。

便秘の悪化に伴うこうした病気や症状は、体力が低下している高齢者にとって寝たきりを招く原因となりえるほか、命にかかわる危険性も秘めています。そのため、特に高齢者の便秘は早期に解消すべきです。

 

 

大腸全体の機能が低下する弛緩性便秘

便秘といってもいくつかのタイプがありますが、高齢者に起こる便秘の大半を占めているのが「弛緩(しかん)性便秘」です。弛緩性便秘とは、ひと言でいえば大腸全体の機能が低下して起こるタイプの便秘です。

胃や小腸で消化・栄養吸収が行われた食べ物は残りカスとして大腸に運ばれ、そこでさらに水分が吸収され便として直腸と肛門を通じて排泄されます。そのさい、大腸は便を直腸へ送り出すためにぜんどう運動と呼ばれる運動を行います。

ぜんどう運動とは、大腸の一部が収縮してくびれ、そのくびれが肛門側へ向かつて移動することで便を押し出す運動で、歯磨き剤のチューブを底部からしごくようすによく似ています。

ところが、なんらかの原因でぜんどう運動が極度に弱まると、便が直腸に運ばれる速度が低下したり、全く動かないまま同じ場所にとどまつたりしてしまいます。これが弛緩性便秘です。

弛緩性便秘に陥ると、便が大腸の中にとどまった状態になるため、腸内にガスもたまりやすくなり、おなかの膨満感を覚えるケースがよく見られます。

排便があっても、硬くてカサの少ないコロコロした優しか出ないのも弛緩性便秘の特徴です。これは便が大腸で停滞している間に、便に含まれる水分が腸壁からどんどん吸収されることが原因です。また、弛緩性便秘では、排便したあともおなかがすっきりしない残便感を覚えやすいのも特徴といえます。

 

 

加齢による筋肉や腸壁の衰えが原因

では、なぜ高齢者に弛緩性便秘が起こりやすいのでしょうか。その大きな原因として、加齢による腹筋の衰えや腸壁の弾力性の低下があげられます。

全身の筋肉は年を取るとともに弱まります。もちろん腹筋も例外ではありません。腹筋は腸の働きを助けたり、排便時にいきんだりするのに必要な筋肉です。つまり、腹筋が衰えると大腸から直腸へ便を送り出し、さらにそこから排便する力も弱まってしまうというわけです。

また、腸壁の粘膜や筋肉層は年とともに萎縮しやすくなり、それに伴って大腸にもともと備わつている弾力性も低下します。腸の弾力性は20代をピークにして年とともにどんどん衰え、60代や70代になるとピーク時の3割も弾力性が失われることがわかっています。

そこに内臓を支える腹筋の衰えや大腸の上部にある胃の下垂に連動する形で、大腸がたるむ「タルミ腸」を引き起こします。

こうしたことが原因で、大腸に本来備わるぜんどう運動が正常に行われなくなり、弛緩性便秘に陥るというわけです。

ただし、高齢者の便秘の陰には、大腸ガンなど深刻な病気が潜んでいるケースもあります。そのことを考えると、便秘に陥った場合は安易に自己判断せず、まずは病医院で診察を受けるのが先決でしょう。

 

 

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