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「うつぶせ寝」を10分するだけで腸内のガスが排出し便秘が改善

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腸内にたまったガスが便通異常を引き起こす

近年、腸内に生息する細菌の作り出す「ガス」が、便通に悪影響を及ぼし、便秘や下痢などを引き起こすと考えられています。

腸の中には、健康な人でも常に約200mlのガスがたまっています。大部分は呼吸や食事のさいに口から飲み込んだ空気中に含まれる窒素ですが、そのほかに腸内細菌が作り出している成分も含まれます。

腸内細菌にはさまざまな種類があり、一般に、体にとって有益な働きをするものを善玉菌、有害な働きをするものを悪玉菌、どちらともいえないものを日和見(ひよりみ)菌と呼んでいます。

これらの腸内細菌は腹の内容物、すなわち消化中の食べ物や便を分解し、さまざまな物質を作り出します。

例えば、善玉菌の代表格として知られるビフィズス菌や乳酸菌は、糖を分解して乳酸や酢酸を作り出します。これらは腸の粘膜から吸収され、体のエネルギー源として利用されます。

また、乳酸や酢酸が作られることで、腸内が弱酸性の環境に保たれ、悪玉菌の増殖を防いだり、腸管免疫系を刺激して免疫力(病気に対する抵抗力)を高めたりする働きもあります。

便秘や下痢に悩む人はガスの量が異常値に

こうした腸内細菌による分解の過程ではたいてい、なんらかのガスが発生します。

多いのは水素、メタン、二酸化炭素などですが、これらはまったく臭くないガスです。水素はほとんどの細菌が作ります。

さらに、腸内に悪玉菌が多いと、硫化水素、アンモニア、スカトールなどの臭い物質が発生します。便やおならが臭いのは、腸内に悪玉菌が増え、こうした物質が多く作られているためだと考えられます。

近年、呼気に含まれる水素やメタンなどの成分を調べることで、消化吸収の能力やガスを発生させる腸内細菌の分布状況を調べられるようになりました。

先日、テレビ番組『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(テレビ朝日系)で呼気検査を行ったところ、便通に悩みのない人は水素やメタンなどガスの量は少なく、便秘や下痢に悩む人はガスの量が異常値となる傾向が見られました。

腸内のガスがたまっていく悪循環に

腸内で発生するガスの量が増え、過剰にたまると、おなかが張る不快感(腹部膨満感)や腹痛の原因になります。

また、腸内にガスがたまって膨らんでいると、内容物を肛門のほうへ送るぜんどう運動や消化吸収の働きが妨げられ、便通異常を引き起こすと考えられます。

ことに、メタンガスは腸の動きを遅くしてしまうことがわかっています。

また、同時に発生する短鎖(たんさ)脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸など)は、腸管からインクレチンの分泌を促します。インクレチンは血糖値の低下にかかわるホルモンですが、その作用も胃腸の動きを遅くします。

そもそも便秘になると、腹部膨満感が起こったり、おならが臭くなったりしますが、これは腸内に滞留した便を悪玉菌が分解し、ガスの発生量を増やすからです。そして、そのガスが、さらに腸の働きを悪くするという悪循環に陥るのです。

腸の向きを変えてたまったガスを排出

腸のガスをためないようにする方法として、お勧めなのが「うつぶせ寝」です。うつぶせの姿勢を10分ほど保ち、さらに、ゴロゴロと左右に寝転がる動きを5回以上行います。

腸は複雑に曲がりくねっていますが、その中でどこかにガスのたまりやすいポイントがあります。うつぶせ寝とゴロゴロ転がることで腸の向きを変え、ポイントからガスを移動させ、排出させやすくするのです。ガスが抜けると、腸のぜんどう連動を促す効果が期待できます。

便秘を訴える患者さんに「最近、うつぶせで寝たことはありますか?」と聞くと、「そういえば思い当たらない」という人が大半です。

畳の部屋に寝起きしていた昔は、うつぶせに寝転がって本を読んだりする機会もありましたが、床がフローリングでベッドに寝る生活だと案外、うつぶせになることは少なくなるのでしょう。

「縄跳び」や「逆立ち」も効果あり

実践してもらった患者さんの中には、「これだけのことで、長年悩んだ便秘がよくなるなんて不思議!」と驚いていた人もいました。

前述のテレビ番組でも、参加者にうつぶせ寝をしてもらったところ、呼気中のガス量が減って正常値となり、便通がよくなった人がいました。

1日のうちのいつやっても構いませんが、特に、夜寝る前にするのがお勧めです。

若くて体力がある人なら、「縄跳び」や「逆立ち」を習慣にするのもいいでしょう。跳びはねたり、普段と違う体勢を取ったりすることで、腸のガスがたまっている場所から移動し、排出されやすくなります。1日1回、2~3分程度でいいと思います。継続すれば、運動効果も得られて、一石二鳥といえるでしょう。

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